沖縄県那覇市の法律事務所 「ゆい法律事務所」

成人年齢引き下げにともなう養育費の支払期限の問題について

成人年齢が、20歳から18歳に引き下げられることを受け、

養育費の支払期間が、今後、従来の20歳から18歳に引き下げられるのではないか、というご相談が最近少なくありません。

非常に大事な問題ですので、そもそも養育費の支払い対象となる子どもとはどういうものかも含めて、ご説明したいと思います。

養育費は、親が離婚した場合などに、まだ経済的に自立できておらず、経済的自立が期待できない子ども(未成熟子といいます。)のために支払われるものです。
ここでいう未成熟子とは、「未成年」という意味ではありません。成人しているかどうかには関わらず、経済的自立の有無で判断されます。

今回の成人年齢の引き下げによって、未成熟子の考え方が変わったわけではありませんので、従来どおり、

養育費は、成人したかどうかにかかわらず、つまり今後は18歳になったかどうかにかかわらず、経済的に自立しているかどうか、つまり未成熟子であれば支払いの対象となります。

なお、このことについては、「民法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(平成30年6月12日 参議院法務委員会)でも、政府が取るべき必要な措置として、

「成年年齢と養育費負担終期は連動せず未成熟である限り養育費分担義務があることを確認するとともに、ひとり親家庭の養育費確保に向けて、養育費の取決め等について周知徹底するなど必要な措置を講ずること。」

と明記されています。

 

 

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